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政宗公の仙台城を護ろう!

「政宗公ワールド」プロジェクト 事務局長 田中 於莵彦

政宗公の築いた仙台城本丸の東側の崖は、年々崩落が進み、東日本大震災でさらに大きく崩落しました。政宗公の時代に築かれた巽櫓の建っていた地盤の過半数が崩落しており、懸造の建っていたあたりの地盤も大きく崩落し失われています。

伊達政宗公生誕450年の記念すべき今年、「政宗公ワールド」プロジェクトでは、この崖の崩落をくい止め、国指定史跡仙台城をこれ以上の崩落からまもる処置を促すよう行政に働きかけ、実現していただくよう活動をはじめました。

去る2017年3月2日、ドローンを飛ばし崩落崖面の動画撮影を行い、実態の調査を始めました。動画を見ると崖はグランドキャニオンのように入り組んでおり、下まで落ちず途中に引っ掛かっている巨大な岩も複数見られ、また崖ぎわには時間の問題で根ごと・地盤ごと倒れ落ちそうな巨木が多くみられます。

実はこれら崖の木々は、江戸時代にはほとんど生えていなかったことが絵図からわかっています。木々は江戸時代には常に手入れがなされ、生えないように管理されていましたが、明治以降自然にまかせる状態となり巨木に成長し、現在のような危機に直面しています。これら危険な木々を伐採し、崖ぎわの地盤を崩落からまもり、大切な遺産を次世代へと継承していくことは、今、生きる私たちの役目ではないでしょうか。