仙台を代表する食べ物といえば牛タン・ずんだ、ですよね?
でも、今から四百年前はまったく違っていました。
仙台といえば、なにを置いても、「仙台糒」だったのです。
「糒」は「干し飯」と書き、政宗公が味噌とともに保存食・兵糧として作らせました。
他の産地の糒とは比べものにならないほど白く、味も極めて上質で、朝廷や幕府にまで献上されたといいます。
保存食だからって侮れませんね!
「仙台糒」は、やがて仙台駄菓子の起源にもなりましたが、いつしか姿を消してしまいました。いわば幻の逸品です。
姿を消してしまった「仙台糒」とは対照的に、今日まで生き延びた料理もあります。
彼岸や盆の仏事料理として欠かせない「お葛かけ」
宮城県北部では、すっぽこ汁(しっぽこ汁)といわれ、江戸期に中国から長崎に伝わった卓袱料理(しっぱくりょうり)に、語源があるようです。
四代藩主綱村公以降、歴代藩主が帰依した黄檗宗の精進料理の一品に「雲片」という料理があります。
くず野菜を葛でとじたこの「雲片」がいつしか「お葛かけ」になったようです。
とろみのある味は、野菜が苦手な子どもも食べやすく、野菜嫌いな人も「お葛かけ」なら克服できるかも知れません。
「お葛かけ」は今も宮城のあちこちの郷土料理お店で食べることができます。
宮城に来たら、ぜひ舌鼓を打ってみてください!